演劇の舞台で学んだ
観客を感動させる様々な技術やマインドが、
ビジネスの現場でも同じように機能することを知ったのは、
当時勤務していた会社が業績不振に陥ったときだった。
まったく違うことを同時にやりながら共通点を探し
相乗効果で上達することが得意だった私は、
演劇とビジネスと人生に共通するものを発見していた。
それは感動を生み出すTIPS(コツ)
ピンチはチャンス。
言い古された感のあるこの言葉を
仮説検証の絶好の機会ととらえ、
自主プロジェクトを開始した。
上司に指示されたわけでない
非公式な自主プロジェクトには
社内各部署から賛同者が自然に集まった。
映画のようなオープニングは、
やがて感動のエンディングへと向かって行った。
演劇的な表現手法でセールストークを創った私は、
近くの営業所へ行き、所長に直談判をした。
” 売れるセールストークを創ったから
営業マンの研修をやらせてほしい ”
役者vs.営業マン
道場破りのようなこの申し出に、
人のいい営業所長は即了承してくれた(笑)
説得型の商品説明をする営業トークを、
演劇的手法で納得共感型トークに変えたところ、
営業マンの目の色が変わり始めた。
商品のベネフィットポイントを
感動的に表現する私に感化され
何人もの弟子が勝手に誕生し、
瞬く間に他の営業所に口コミで広まり、
全国規模のセミナーが始まった。
全国各地の支店長から
平野貸出しの非公式オファーが殺到(笑)
自信を失っていた営業マンが一転、
感動しながら商品を表現するのですから
お客様も販売代理店もびっくり!
商品ではなく、「感動」が伝染していった。
商品が瞬く間に爆発的に売れ始め、
業界標準を変えるほどの大ヒット商品が誕生
売り上げ125%、利益300%アップという
驚異的なV字回復につながっていった。
社内で行っていたセミナーはやがて取引先へも拡大し、
年間で200回以上のセミナーが全国で開催されることになり、
真剣勝負&量稽古の願ってもない機会となり、
現在のプレゼンスキルの原点となった。
感動プロデューサーとして独立後は、
世界規模の超一流企業をはじめ様々な業界から招聘され、
1000社20万人を超える講演・研修・指導を経験、
普遍性&実践力のある感動創造メソッドが体系化されていった。
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現在でも時々役者としても舞台に立ちながら
現役の表現者として活動を続けている。
先を行く人がいないという困難は、
道を切り拓く先駆者になるという希望に切り替え、
感動エージェントとして日々ミッションを遂行中。